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2024/05/02 22:57 |
メトロノーム・シンドローム~第二話~

沙織は、再びアイスティーを口にし、僕に聞いた。

「ねぇ、あなたは死というものに対して、どんなイメージを持っているの?」

僕はタバコを吸い、吐き出す煙の行方を見つめながら、その問いに対する答えをまとめた。

「どんな人にも訪れる人生の終焉かな。」

「そうね、点数を付けるなら30点。」

「なかなか厳しい点数だね。」

「そうかしら?一応、及第点よ。」

そう言って、沙織は窓の外を通る路線バスを見送った。
降り立った中学生らしき集団が、揃いのジャージで談笑している。
指定のジャージで出歩く恥ずかしさを、彼らも数年後に気づくはずだろう。

「あのね、私が聞きたいのは事象としてのイメージじゃないの。」

「と、言うと?」

「私が聞いてるのは、事象に対するイメージなのよ。」

「例えば?」

「辛い、悲しい、恐怖みたいな事象に対するイメージなの。」

「なるほど、それなら不安って答えになるかな。」

「合格。80点あげる。」

「それはどうも。」

沙織は満足そうな顔で半分になったアイスティーを飲んだ。

メトロノーム・シンドローム~第三話~

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2010/05/09 01:24 | Comments(0) | TrackBack() | メトロノーム・シンドローム

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